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脳死移植1000件間近 提供伸び悩む、希望者の3%―法施行から26年〔時事メディカル〕

2023年10月23日 10:20

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 脳死となった人からの臓器提供が間もなく1000件に達する。1997年に臓器移植法が施行されてから26年。家族の承諾があれば臓器提供が可能になる2010年の法改正で提供数は増加傾向にあるが、実際に移植を受けられたのは希望者の3%に満たず、依然として臓器提供者(ドナー)不足は解消していない。

 脳死下の臓器提供は22日時点で998件。09年まで年間3~13件で推移していたが、改正法施行後の10年は32件に増え、19年には過去最多の97件となった。新型コロナウイルス禍の影響で20、21年は落ち込んだが、22年は93人に回復している。

 日本臓器移植ネットワークによると、ドナーの年齢別(22年末時点)では、50代が194人で最も多く、40代181人、60代124人と続き、18歳未満は65人だった。移植された臓器は腎臓が最多で、肝臓、肺、心臓などの順だった。法改正後の臓器提供の約8割は本人の意思表示がなく、家族の承諾に基づいて実施された。

 待機患者約1万6000人のうち、昨年移植を受けられたのは455人にとどまり、移植希望者が多い腎臓の待機期間は14年8カ月に及ぶ。ドナー不足が背景にあり、100万人当たりのドナー数は0.88人で、米国44.50人、韓国7.88人を大きく下回る。

 このため、海外での移植を目指す患者が後を絶たず、厚生労働省によると、今年3月末までに渡航移植を受け、国内の医療機関に通う患者は543人に上る。2月には海外での臓器移植を無許可であっせんしたとして、NPO法人理事の男が臓器移植法違反容疑で逮捕される事件も起きた。

 臓器提供が認められている国内の施設は895カ所あるが、厚労省によると、半数以上で臓器提供の体制が整っていない。同省はノウハウを共有することで臓器提供を進めようと、19年度から経験が乏しい施設に助言したり、人材を派遣したりする支援事業を続けている。

 厚労省幹部は「経験豊富な医師がいない病院での臓器移植は難しい。拠点病院を中心に、臓器移植をしたいという家族につなげられる体制を構築したい」と話している。

(2023年10月23日 時事メディカル)

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