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平成の3大トピックス & 令和の医療を展望する 平成の3大トピックス & 令和の医療を展望する

平成と令和の医療を展望する 川口浩

東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長

 2019年05月03日 06:00
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 バブルの最中に青春を駆け抜けた私にとっては、その後に到来した「平成」は閉塞感だけの悪夢の時代であった。この時代がやっと終わって、個人的には時期を同じくして「公務員」という足枷が外れて、さあ、もう一度駆け抜けようと思ったら、もう歩くことさえ覚束なくなっている。しかしながら、せっかくのご依頼なので、棒に振った人生の30年を振り返ってみる。

 

平成を彩った3大ニュース

1. オウム真理教と医療

 平成7年(1995年)3月20日の朝、私はサリンがまかれた地下鉄に乗っていた。神谷町駅で電車が止まり「危険物が仕掛けられたという情報があったので点検中」というアナウンスがあった。まかれた車両と逆方向の車両に乗っていたので、現場は見ていない。ただ、当日は朝イチでオペがあったので、すぐに電車を降りてタクシーに乗った。病院に着いてヘルニアのオペを始めたが、術野が暗過ぎる。看護師さんから「昨日、飲みすぎじゃないんですか」という定番の罵詈雑言を浴びつつ、無影燈の調節を何度もお願いし、最後は関節鏡用の光源で照らしてもらった。病院の1階に降りると、待合室のフロアに横たわっている人、座り込んでいる人でいっぱいだった。私の「縮瞳」はその日のうちに回復したが、その後はオウム真理教の報道が日本中を席巻した。驚いたのは、医者を含む多くの社会的エリートが信者にいたことである。

 論理を構築する方法として「帰納法」と「演繹法」がある。「帰納法」は経験の積み重ねによる方法で、中国四千年の歴史によって構築された「東洋医学」がこれに相当する。

 一方、現在の世界の医療の主流である「西洋医学」は「演繹法」に基づいている。「演繹法」は根本となる前提・仮説からスタートし、ここから自然科学・サイエンスに基づく検証と論理展開によって真実に迫っていく方法である。直近では、アインシュタインの「時空の歪み」理論を、宇宙のブラックホールの撮影成功につなげた方法である(当日のトップニュースが、この世紀の大発見よりも失言大臣の更迭になっており、日本のメディアのレベルの低さにはあきれ返ったが)。

 生物学としては、「個体は細胞から成り、細胞は分子から成り、分子は遺伝子によって制御される。だから分子や遺伝子の異常で病気が起こり、これを是正することによって個体の治療が可能である」という考え方が演繹法である。しかしながら演繹法は、根本となる仮説・前提が間違っていれば、途中の論理展開がいくら正しくても誤った結論にたどりつく危険を孕んでいる。

 オウムのエリート信者たちは、「ハルマゲドンが来る」という誤った仮説・前提(教義)を信じたために、その後に公正で精緻な論理展開を行っても、演繹法によって殺人を正当化する結論に達した。われわれが演繹法に基づいて行っている医療は、本当に患者や国民の健康に向けた仮説・前提に立脚しているのか? 見えない外力によって洗脳的なトランス状態に陥って、つくられた「ハルマゲドン」を信じてしまっていないか? サリンをまいてはいないか?

 平成の膿は平成のうちに出し切っていただきたかった・・・。

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