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- 取材協力者
- メディカルラボ
- 本部 教務統括
可児 良友 氏
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- インタビュアー
- 医学部予備校ガイド
- 川﨑 雄太
1コマ150分授業「講義50分・演習50分・説明50分」
川﨑:最初に完全個別指導を取り入れた背景を教えて頂ければと思います。
可児:もともと集団授業の予備校で生物を教えていたんですが、集団授業だと生徒の自己管理能力が重要になります。難易度の高い医学部受験においては相当なレベルで自己管理ができないと合格は厳しいのが現実です。逆に言えば、こちらがしっかりとサポートしてあげれば合格する生徒もたくさんいるんです。つきつめた効率の良い勉強となるとやはりマンツーマンが良いのかなと。集団だと分かっている単元も授業を聞く必要があって効率が悪い側面もあります。どのくらいの学力レベルが必要か?現状は客観的に見てどのレベルにあるのか?1対1で教えれば、プロの講師がしっかりとその生徒を見て現状を把握することが可能です。つまり、指示もサポートもし易いんですね。難易度の高い医学部受験は、1人の生徒を中心としたチームを結成してみんなで戦っていくことが合格の可能性を最大限に高めてくれると思います。
川﨑:ただ単に教えるだけでは、医学部合格のハードルは相当高いということですね。チームとしてのサポートとは具体的にどのような体制でバックアップしているのでしょう?
可児:メディカルラボでは、一人の生徒に対して各教科のプロ講師6名と担任がサポートする体制をとっています。講師は、授業以外にも生徒の得意・不得意の単元を把握したり、解くスピードは速いのか、遅いのかなど細かく生徒について理解しています。担任はそれぞれの講師と生徒の学習状況を共有し、それをもとに学習指導や進路指導をしています。またその他にも現役医大生のチューターにいつでも質問できますし、時には相談に乗ることもあります。受験情報に関しても専門チームがあるので、受験した生徒から細かく情報を集めてますね。
川﨑:それは生徒からしても心強いですね!そのあたり後ほど詳細にお伺いできればと思いますが、まずはメディカルラボさんの一般的な個別授業の流れについてお伺いできればと思います。
可児:通常は、150分を50分×3回に区切って授業を行っています。基礎が不足している生徒であれば、最初の50分は予習の状況を確認した上で理解が不足している箇所を教えていきます。次の50分は講師から与えられた課題を解いて、最後の50分は間違えたところを中心に解き方を再度教えていきます。やはり聞いて分かるのと自分で解けるのでは違いますから、必ず授業の後に演習問題を解くことが大事だと思います。直ぐに問題を解くことで、1回目の復習ができますし、やったことを忘れずに定着できるという利点があります。そして授業が終わったら講師が宿題を出すので、それを次の授業のときまでに自習時間を使ってやってもらうという流れですね。
川﨑:150分の授業って他と比較すると長いと思いますが、集中力が切れてしまうということはないのですか?
可児:それはないと思いますね。50分×3回に分けて、50分終わると10分の休憩を入れていますし、ずっと講義をしている訳ではないので、大変ですけど徐々に慣れていくと思います。集団授業と違い、1対1なので会話しながら進んでいくんですね。ずっと聞きっぱなしの集団授業だと寝ちゃう生徒も中にはいると思いますが、1対1だとそのあたりの心配はないですね。
川﨑:確かに1対1だと適度な緊張感もありますし、コミュニケーションを取りながらだと集中し易そうですね。ちなみに宿題が次の授業までに終わらなかった生徒に対してはどういう対応をしているんですか?
可児:当たり前ですが、まずは何でできなかったのか?今後できるようにするためにはどうすれば良いのかを担任と面談して解決していきます。また宿題で言えば担任同士で話し合い、遅れている科目の宿題を重点的に出したりと、これ一つとっても常に合格を意識して行っています。
川﨑:生徒によって柔軟に対応できるのが個別授業の最大の強みですね!
可児:そうですね。例えばレベルの高い生徒は、自分で予習してきたりもするので、最初の50分でその予習の解説をし、最後の50分からはもう先の単元に進むこともあるんですよ。
川﨑:まさにオーダーメイドカリキュラムですね。入塾時にも大枠の個別カリキュラムは作成するんですか?
可児:もちろんそうですね。まず入学したときに、スタートレベル判定テストで分野別に学力レベルを把握して、志望大学でゴールのレベルが分かりますから、後はそれをどういうステップでゴールに導くかを決めていきます。生徒によって不得意科目を得意科目でカバーしなければいけない場合は、得意科目はより高いレベルになる場合もありますし。その辺のバランスも考えて各教科の合計点で合格できるカリキュラムを作成していきますね。
川﨑:このあたりは経験豊富なスタッフのサポートがないと難しそうですね。カリキュラムはどなたが作成するんですか?
可児:本部でカリキュラムを作る専門チームがありますので、大枠はそこで作成してますね。ただ、1回のテストだけでは判断がつきにくいので随時修正はしていきますけど。
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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9:20 10:10 |
1対1授業 生物 |
小テスト (イディオム暗記) |
演習授業 数学 |
小テスト (単語暗記) |
小テスト (計算) |
自習室 |
10:20 11:10 |
1対1授業 英語 |
1対1授業 数学 |
1対1授業 英語 |
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11:20 12:10 |
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12:20 13:10 |
小テスト (単語暗記) |
小テスト (生物) |
小テスト (計算) |
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13:50 14:40 |
自習室 | 自習室 | 宿題学習 | 小テスト (化学) |
宿題学習 | 1対1授業 英語 |
14:50 15:40 |
1対1授業 数学 |
演習授業 化学 |
1対1授業 化学 |
1対1授業 数学 |
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15:50 16:40 |
||||||
16:50 17:40 |
自習室 | |||||
18:00 18:50 |
宿題学習 | 宿題学習 | 自習室 | 宿題学習 | 単元別 チェック テスト |
単元別 チェック テスト |
19:00 19:50 |
||||||
20:00 20:50 |
宿題学習 | 自習室 | ||||
21:00 21:50 |
自習室 | 自習室 | 自習室 |
※時間割はテスト結果、学習進度等により途中で変更することもあります。
毎週40時間分の宿題量で自習を管理
川﨑:先ほどのお話で自習を管理されているということでしたが、強制でやってもらうんですか?
可児:そうですね。授業が終わった後は原則として22時まで予習や復習(宿題)をやってもらいます。自習も本人に任せてしまうと教科の片寄りができてしまうので、好きな教科や得意科目の勉強時間が増えて、嫌いな教科や苦手科目の時間が減ってしまう傾向があります。なので、宿題の量によって調整し、勉強した時間や内容の記録をつけてもらってます。一方で国公立大を目指している生徒など既にレベルの高い生徒の場合は、逆に宿題を減らして自分で立てた計画を行ってもらいます。問題をどんどん解いてもらって、それを講師がチェックしてその生徒に合わせて教えていきます。また、担任との面談を通じて、進捗が遅ければ担任から講師に伝えてもらい講師が宿題の量を増やしたりなどしてますね。1つの授業で大体4~5時間くらいの宿題を講師から与えて週8コマの授業があるので、毎週40時間くらいの宿題があるんですよ。
川﨑:宿題=復習という訳ですね。自習する中で、分からない点が出てきたら質問することは出来るんですか?
可児:もちろんです。「質問解決室」と呼ばれる質問専用のブースがあって、そこにチューターがいるので分からないことはいつでもチューターに質問ができますね。もちろん、講師がいれば講師に聞くこともできますけど。誰に聞くかは自由ですし、そのあたりは臨機応変に対応しています。
川﨑:講師にもチューターにも自由に聞けるのはありがたいですよね!ちなみに、集団授業ではないことのデメリットって何かありますか?
可児:一般的に言われてることは、競争環境が弱いことや受験生の中で自分の位置(順位)が分かりづらいことだと思います。ただ、競争で伸びる生徒はもともと力があるわけです。真ん中より下の生徒は競争させることでモチベーションが落ちて、脱落しちゃうこともありますので一概に言えないと思います。
川﨑:確かに競争で伸びるのは上位者が中心かも知れませんね。
可児:そうですね。そういう意味では上位者には模試の成績結果を掲示して競争を促してますね。当校の場合は、外部の模試だけでなく、年2回の校内模試もありますので両方の結果を掲示しています。成績上位者以外は掲示しないであまり競争させないというか、ペースを乱されないようにしてますね。
川﨑:なるほど。校内模試も御校の規模だからこそできることですね!ちなみに1年での合格が厳しい生徒の場合は2年計画で進めていくこともあるんですか?
可児:はい、入学時の状況によってはあり得ます。ご両親から2年計画で進めて欲しいとご要望いただくこともありますし。1年で焦ってやると消化不良になってしまうケースもありますので、その子のペースに合わせて確実に進めていく場合もあります。基礎が固まっていない状態で応用に入ってしまって、結局ほとんど学力が身についていないってこともありますから。勉強はしていても、勉強の仕方を間違えると成績も伸びずに本人が潰れてしまうことも多いですね。
講師と担任が合格を全面サポート
川﨑:個別で見てくれる講師がいればその辺は安心ですよね。もちろん、講師のレベルも大事になってくるとは思いますが。
可児:仰る通りで講師のレベルはもの凄く大事で、当校の採用基準はかなり高いと思います。学力試験や適性検査はもちろんですが、実際に個別の模擬授業をやってもらいます。集団授業の教え方に慣れていている講師は、生徒の様子を見ずに一方的な授業になってしまうこともありますし、一方で家庭教師の教え方に慣れている講師は、質問に答えることしかできない講師もいますから。
川﨑:講師の学力は当然ですが、生徒と本気で向き合うことが一番大事かも知れませんね!
可児:やっぱり生徒それぞれの課題を見つけて、生徒のレベルに合わせた教え方をするためには本気で向き合わないと大きな成果を出すことは出来ないですね。例えば、集団授業の場合はその日に教える単元は決まっているので準備がし易くて、準備通りに授業を進めていけるんですが、個別指導の場合は準備はもちろんするんですけど、生徒の状況を見て1つ前の単元に戻って教えなければいけないこともありますので柔軟に対応できる力が大事になってきます。
川﨑:授業中は講師が柔軟に対応していると言うことですが、担任は生徒とどう関わっているんですか?
可児:担任は、シーズンごとにどうやって授業を進めていくかを決めたり、生徒に模試のフィードバックをしたり、当然志望校について話し合ったりもします。後は、9月くらいになると本人にとって相性の良い大学を担任が数大学ピックアップしてますね。例えば、どこの大学の入試問題がその生徒にとって相性が良いか、教科ごとに講師からフィードバックをもらっています。具体的に言うと、スピードがある生徒だったらマーク式の大学が良いとか、スピードはないけど難問が解ける生徒であれば問題量は少ないけど難問の多い大学が良いとか、得意な単元が良く出題されるとか、理由も含めて講師からフィードバックをもらっています。それを担任が集約して生徒と面談し、重点対策校を決めてますね。
川﨑:生徒から面談のタイミング以外にも担任に相談があったりもするんですか?
可児:それはしょっちゅうありますね。悩んでいることを相談したり、雑談してリラックスできたりもしますしね。
川﨑:やはり信頼できる相談者が近くにいると精神的にも安定しますよね。担任はどうやって決めているんですか?
可児:入校相談に来たときに面談したスタッフがそのまま担任になることが多いですね。最初に面談しているので、その生徒のことを把握してますから。後は、入校相談の内容によっては、相性の良さそうな担任に変えることもあります。
川﨑:最後に受験生に対するメッセージを頂ければと思います。
可児:医学部入試の倍率は高くなってますけど、実際に合格している生徒の学習状況を見ると志望大学に合わせた対策や勉強も自分に合ったやり方で勉強している人は合格しています。医師になるという強い意志と勉強の進め方さえ間違えなければ、誰にでも合格のチャンスはあると思います。諦めずに頑張って下さい!
毎年多数(2019年度は1189名)の合格者を輩出しているメディカルラボ。率直に感じたのは、生徒1人にかけるサポート体制が抜群だということ。講師・担任・チューター・情報戦略チーム・事務スタッフが1つのチームとして運営され、それぞれの領域で全面サポートしていく。生徒も自分のために一緒に戦ってくれるチームがいることで効率的に勉強ができ、励みにもなる。完全個別指導だからこそ、こんな好循環な環境が生まれているのかなと感じました。