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糖尿病黄斑浮腫、初手にベバシズマブで割安

アフリベルセプト単独と比較したRCTの二次解析

2023年02月13日 16:32

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 米・University of Michigan School of Public HealthのDavid W. Hutton氏らは、中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫(DME)の患者を2年間追跡して血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害薬2剤(ベバシズマブ、アフリベルセプト)の有効性を比較したランダム化比較試験DRCR Retina Network Protocol ACの二次解析を実施。その結果、アフリベルセプト単独療法と比べ、安価なベバシズマブの適応外使用から開始して効果不十分の場合に高価なアフリベルセプトに切り替える治療は、視力の改善効果に有意差はなく大幅な費用削減をもたらす可能性が示されたとJAMA Ophthalmol2023年2月2日オンライン版)に発表した(関連記事「糖尿病黄斑浮腫、費用効果良好な薬物療法は」)。

効果不十分の62.5%がアフリベルセプトに切り替え

 同試験では、米国の54施設で最高矯正視力がスネレン視力表20/50~20/320の18歳以上のDME患者270例312眼を登録。アフリベルセプト2.0mg単独療法群と、ベバシズマブ1.25mgから開始し12週以降に所定の改善を達成できなかった場合にアフリベルセプトへ切り替えるベバシズマブ開始群にランダムに割り付けて治療した。主解析では、2年間の治療による視力の改善に両群で有意差はないことが示されていた。

 今回の解析対象は、片眼が試験対象となったアフリベルセプト単独群116例とベバシズマブ開始群112例の計228例(年齢中央値62歳、年齢範囲34~91歳、女性51%)。2年間でベバシズマブ開始群の70例(62.5%)がアフリベルセプトに切り替えた。

2年間で1例当たり1万2,575ドルの削減に

 患者1例当たりの2年間の総費用は、アフリベルセプト単独群の2万6,504ドル(95%CI 2万4,796~2万8,212ドル)に対し、ベバシズマブ開始群では1万3,929ドル(同1万1,984~1万5,874ドル)で1万2,575ドル(同9,987~1万5,163ドル)の削減となった。ベバシズマブ開始群に対するアフリベルセプト単独群における質調整生存年(QALY)の増分は0.015(95%CI -0.011~0.041)だった。これらの結果から、アフリベルセプト単独群が1QALY獲得するためにベバシズマブ開始群と比べて増加した費用〔増分費用効果比(ICER)〕は83万7,077ドルと算出された。

 さらに、アフリベルセプト単独療法の1QALY獲得当たりのICERが10万ドル(米国で一般に費用効果が高いと見なされる閾値)となるには、アフリベルセプト投与1回当たりの薬剤費が現在の1,831.49ドルから305ドルに低下するか、ベバシズマブ投与1回当たりの薬剤費が現在の67.86ドルから1,307ドルに上昇する必要があると推定された。

 以上の結果を踏まえ、Hutton氏らは「中心窩に及ぶDMEによる中等度以上の視力低下を呈する患者において、ベバシズマブ開始後アフリベルセプトに切り替える治療は2年間の費用が平均で約1万4,000ドルに上るが、それでもアフリベルセプト単独療法と比べて視力の改善効果を減弱することなく大幅な費用削減をもたらす可能性がある」と結論している。

太田敦子

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