都内在住の外国人3割、コロナで「差別を経験」...最多は「感染広げていると悪者扱い」〔読売新聞〕
2023年08月18日 11:47
138名の医師が参考になったと回答
東京都は、新型コロナウイルスを巡って都内在住の外国人の3割が差別や偏見を経験したなどとするアンケート結果を発表した。コロナの疑いで病院を受診した際にうまく話せなかった人も4割に上り、外国人がコロナ禍で苦労した実態が明らかになった。
アンケートは6月1~21日、都内に住む外国人にインターネットで実施。国籍別の内訳が実際の人口比率と合致するよう抽出した20~70歳代の2000人分を有効回答とした。
コロナに関して偏見や差別を受けた経験があるかどうか尋ねたところ、「ある」と答えた人が30・5%に上った。都民全体を対象に同様の質問をした今年2月のアンケートの回答(4・2%)を大きく上回った。
差別の内容は、「外国人は感染を広げていると悪者扱いされた」が50・7%で最も多く、「外国人のため、病院などできちんとした説明を受けられなかった」が37%、「感染対策をしていないと決めつけられた」が33・8%と続いた。
また、コロナの疑いで病院を受診した経験がある人は44・2%に上り、受診時の困りごととして、「受付でうまく話せなかった」と答えた人が42・5%に達した。「保険が適用されるかどうかわからなかった」(31・7%)、「どの病院に行けばよいかわからなかった」(31%)なども挙がった。
生活面での影響では、50・6%が「出入国制限で帰国できなかった」と答え、「仕事(収入)、授業が減ったりなくなったりした」と回答した人も32・7%いた。
2月時点でマスク着用を心がけていた人は79・4%に上り、都は、在住外国人も高い割合で感染防止対策を実施していたと分析している。担当者は「在住外国人も一緒にコロナ禍を乗り越えてきた。国籍に関係なく、誰もが安心して暮らせるような施策を進めていきたい」と話した。
(2023年8月18日 読売新聞)