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11月4日

IBDのTreat to Targetの実際―治療選択のポイント

2023年11月04日 06:15

115名の医師が参考になったと回答 

パネルディスカッション8 提案:日本消化器病学会

11月4日(土) 9:30〜12:00 第2会場(神戸国際展示場2号館 ホール南)

[司会]

安藤 朗氏

滋賀医大・消化器内科

金井 隆典氏

慶應義塾大・消化器内科

[演者]

中村 尚広氏

関西医大・3内科

浅川 幸子氏

山梨県立中央病院・消化器内科

清原 裕貴氏

慶應義塾大・消化器内科

良原 丈夫氏

大阪大大学院・消化器内科学

木村 容子氏

杏林大・消化器内科

河本 亜美氏

東京医歯大・消化器内科

平田 有基氏

大阪医薬大・2内科

伊藤 貴博氏

札幌東徳洲会病院・IBDセンター

岡部 誠氏

京都大附属病院・消化器内科

上小鶴 孝二氏

兵庫医大・消化器内科(消化管内科)

黒木 博介氏

横浜市立市民病院・炎症性腸疾患科

 多くの臨床研究から、炎症性腸疾患(IBD)は内視鏡的・組織学的寛解が長期予後の改善につながることが明らかになり、「Treat to Target(目標に向けた治療;T2T)」という概念が提唱されるようになった。T2Tは、疾患活動性指標による臨床的寛解もしくは低疾患活動性に早期に到達することを目的にしており、評価方法としては内視鏡検査がゴールドスタンダードとなる。しかし、内視鏡検査を用いた指標は算出が煩雑で主観的な要素が入ることなどから、正確で客観的なバイオマーカーが求められている。一方、IBDの薬物療法は生物学的製剤の登場などにより選択肢が大幅に広がった。薬物療法によるT2Tを実践していくためにも正確なバイオマーカーが必要とされている。このパネルディスカッションでは、新しいIBD治療薬の実臨床におけるインパクト、新薬の登場で明らかになったIBDの病態にも光を当てる。

薬物療法の評価法、有効性、安全性などの11演題で深いディスカッションを目指す

 IBDのバイオマーカーとしてはロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)の有用性が報告されている。中村尚広氏は、LRGと既存の血清学的評価を併用した潰瘍性大腸炎(UC)の再燃予測因子について報告する。河本亜美氏は、LRGおよび複数のバイオマーカーの組み合わせによるクローン病(CD)の予後予測能について紹介する予定だ。

 その他、UCに関連するのは3演題。清原裕貴氏は、UCに対する抗TNFα抗体の二次無効後のセカンドラインの抗TNFα抗体における一時無効に関する観察研究結果を報告。浅川幸子氏は、日本と韓国でリスクが高いとされているJAK阻害薬による帯状疱疹について紹介する。木村容子氏は、UCの病勢評価に有効とされる腸管エコーにより、薬物療法の中期的有効性を予測する研究結果を発表する。

 ウステキヌマブがCDへの適応を取得してから6年以上が経過し、その特徴が明らかになりつつある。しかし、臨床的な課題も残されており、CDに対するウステキヌマブの有効性に関しては3演題が取り上げられる。伊藤貴博氏は7施設290例の症例を解析し、CD治療におけるウステキヌマブの長期成績を提示した上で同薬の位置付けを明らかにする予定。平田有基氏は、自施設のウステキヌマブ投与例を解析し、抗TNFα抗体と比較した結果を報告する。岡部誠氏はウステキヌマブの血中トラフ濃度に着目。臨床症状や内視鏡所見との相関関係を検討し、疾患活動性の指標として使用可能かを検討する。

 良原丈夫氏は、IBDに対する生物学的製剤を他の生物学的製剤や低分子化合物に切り替える際の、前薬と後薬による共曝露の安全性と有効性を検証。前薬のウォッシュアウト期間を設ける必要性について発表する。上小鶴孝二氏は、無狭窄症状でありながら腸管狭窄を有するCDに対する内視鏡的バルーン拡張術の予後について明らかにし、内視鏡的バルーン拡張術を施行するタイミングを探る。黒木博介氏は、狭窄に対するCD手術例を対象に、術前の生物学的製剤投与が臨床経過に及ぼす影響を検討した結果を報告する。

 司会の安藤朗氏は、「各演者が有するIBDの治療経験に基づき、T2T実践に向けた建設的な議論が行われるだろう」と期待を寄せている。

第66回日本消化器病学会大会

[会長]坂本 直哉 
北海道大学大学院 消化器内科学

第108回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]矢作 直久 
慶應義塾大学 腫瘍センター

第28回日本肝臓学会大会

[会長]四柳  宏 
東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野

第22回日本消化器外科学会大会

[会長]堀口 明彦 
藤田医科大学ばんたね病院 外科

第62回日本消化器がん検診学会大会

[会長]金岡  繁 
浜松医療センター 消化器内科

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