脂質異常症薬ベムペド酸、P3で主要評価項目を達成
大塚製薬
2024年05月21日 17:34
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大塚製薬は昨日(5月20日)、高コレステロール血症患者を対象としたベムペド酸の国内第Ⅲ相臨床試験において、主要評価項目を達成し、同薬の有効性が確認されたと速報で報じた。
ベムペド酸はEsperion Therapeutics社が創製した新規作用機序を有する高コレステロール血症治療薬で、肝臓中のクエン酸分解酵素ATPクエン酸リアーゼに作用することでコレステロール合成経路を阻害する(関連記事「新クラスの脂質低下薬、心血管イベントを抑制」「高脂血症治療薬、糖尿病発症の懸念を払拭」)。世界の複数の地域で同薬が使用されている。
同試験は、スタチン効果不十分、またはスタチン不耐の高LDLコレステロール(LDL-C)血症患者96例を対象に、プラセボ対照、ランダム化、多施設共同、二重盲検、並行群間比較試験として実施した。ベムペド酸180mgまたはプラセボを1日1回12週間経口投与し、有効性および安全性を評価した。
主要評価項目とした投与12週時におけるベースラインからのLDL-C変化率は、プラセボ群が-3.46%、ベムペド酸群が-25.25%で、プラセボ群と比較して有意な有効性を示した(P<0.001)。ベムペド酸の安全性および忍容性は良好で、重篤な有害事象は認められなかった。
今後はさらに解析を進めるとともに、専門的な学会で公表する予定。なお同試験の結果に基づき、大塚製薬は今年後半に承認申請を行う見込みであるという。