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コロナワクチン、4回接種後に免疫反応鈍化 

オミ株には、オミ株対応ワクチンがベスト

2023年04月19日 16:33

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 横浜市立大学大学院循環器・腎臓・高血圧内科学の金井大輔氏らは、血液透析(HD)患者と医療スタッフを対象に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のmRNAワクチン4回目接種後前後の抗スパイク蛋白質抗体価(IgG抗体価)を検討。患者の従来株型ワクチン(ファイザー製トジナメラン)に対する液性免疫反応は、3回目接種までは大幅な上昇反応を示すものの、4回目接種では有意に鈍化したことをClin Exp Nephrol2023年3月28日オンライン版)に報告した。

透析患者でもワクチン3回接種で抗体価は健康人と同等

 金井氏らはこれまで、健康人と比べてHD患者ではワクチン2回接種後に獲得するIgG抗体価が3分の1程度と有意に低値であるが、3回接種後には大幅に上昇し、健康人と同程度のIgG抗体価を獲得したことを報告している(関連記事「透析患者でもワクチン3回で抗体著増」)。

 昨年(2022年)初頭にはオミクロン株の出現によって流行の第六波が到来し、4回目のワクチン接種を推奨する政策が取られた。そこで同氏らは今回、透析施設に通院中のHD患者と医療スタッフのトジナメラン4回目接種前後におけるIgG抗体価を検討した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)既往歴のないHD患者238例と、医療スタッフ58例のデータを、診療録などから収集し解析した。

医療スタッフ群では抗体価にほぼ変化なし

 解析の結果、3回目接種1カ月後のピーク抗体価と比べて4回目のワクチン接種1カ月後の抗体価は、HD患者群で約1.5倍の上昇が見られたが(2万4,000 → 3万7,000AU/mL)、医療スタッフ群ではほぼ変化が見られなかった(1万7,500 → 1万8,500AU/mL、図1、2-A)

図1. HD患者群と医療スタッフ群のIgG抗体価の推移

43439_fig01.jpg

 また、4回目接種前のIgG抗体価が高い者では接種後に上昇幅が小さかったのに対し、接種前の抗体価が低い者では接種後の上昇幅が大きいなど、接種前後の抗体価に負の相関関係が見られた(図2-B

図2. IgG抗体価上昇幅の比較(A:ワクチン接種回数、B:4回目接種直前の抗体価)

43439_fig02.jpg

(図1、2とも横浜市立大学プレスリリースより)

 今回の検討から、金井氏らは「従来型のmRNAワクチンの場合、接種を繰り返すことでワクチンに対する液性免疫応答が有意に鈍化することが示唆された」と結論。従来型のmRNAワクチンで得られた抗スパイク蛋白質抗体で従来株ウイルスを中和し、感染予防効果を得るには7,021AU/mL以上の力価が必要とされている。一方、オミクロン株に対してはその11倍以上の力価を要するとの報告がなされているため(Cell 2022; 185: 2422-2433)、「オミクロン株流行下では、オミクロン株対応ワクチンの接種を進めることが好ましい」と付言している。

(平吉里奈)

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