DKD治療薬候補のバルドキソロンメチルが開発中止
協和キリン
2023年05月11日 15:20
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協和キリンは5月10日、糖尿病性腎臓病(DKD)治療薬候補バルドキソロンメチル(RTA 402)の開発中止を決定したと発表した。国内第Ⅲ相試験の結果、推算糸球体ろ過量(eGFR)の改善が認められたものの、ESRDの発現抑制効果が示されなかったため。
バルドキソロンメチルは、米・リアタ ファーマシューティカルズ(以下、リアタ社)から導入した低分子化合物。
国内第Ⅲ相試験AYAMEでは、DKD患者を対象にバルドキソロンメチルまたはプラセボを1日1回投与し、有効性および安全性を比較検討。その結果、主要評価項目である「ベースラインから30%以上の推算糸球体ろ過量(eGFR)低下または末期腎不全(ESRD)が最初に発現するまでの期間」および重要な副次評価項目である「ベースラインから40%以上のeGFR低下またはESRDが最初に発現するまでの期間」を達成した一方で、ESRDの発現抑制効果が認められなかった。
今回の結果を受けて、2021年7月に行ったアルポート症候群を対象としたRTA402の製造販売承認申請も取り下げるとともに(関連記事「糖尿病性腎臓病薬が早期実用化へ」「バルドキソロンメチル、アルポート症候群に対し国内承認申請」)、現在実施中のアルポート症候群および常染色体優性多発性嚢胞腎に関する臨床試験への国内管理人としての参加も終了する方向で、リアタ社との協議を開始したという。