バルドキソロンメチル、アルポート症候群に対し国内承認申請
2021年07月29日 11:43
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協和キリンは7月27日、米・リアタ ファーマシューティカルズ(以下、リアタ社)から導入した低分子化合物バルドキソロンメチル(開発番号:RTA 402)がアルポート症候群を適応症として、国内での製造販売承認を申請したと発表した。
アルポート症候群は、糸球体基底膜の構成成分であるⅣ型コラーゲンα鎖の遺伝子変異により、徐々に腎機能が低下し、最終的に末期腎不全に至ることの多い進行性の遺伝性疾患で、指定難病の1つ。バルドキソロンメチルは体内のストレス防御反応において中心的な役割を果たす転写因子 Nrf2を活性化する低分子化合物であり、広範な抗酸化および抗炎症作用によって腎機能を改善させると考えられている。
今回の申請は、リアタ社がアルポート症候群に対して実施した第Ⅲ相試験CARDINALに基づく。同試験の主要評価項目は推算糸球体濾過値(eGFR)のベースラインからの変化量(投与開始後48週および100週時点)であり、いずれの時点においてもプラセボ群に対しバルドキソロンメチル群で有意なeGFRの改善が認められた(関連記事「大きく変わるCKD治療、最新の話題」)。