糖尿病の脳卒中抑制はLDL-C 80mg/dL以下に
J-DOIT3の時間依存性ランドマーク解析
2024年04月19日 17:40
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高血圧や脂質異常症を合併した2型糖尿病患者を対象に、従来治療と血糖、脂質、血圧の3因子に対する強化療法を比較したJ-DOIT3試験。従来治療群に比べ強化療法群では心血管イベントの減少傾向が認められ、両群ともに重症低血糖の発症が極めて少ないことが報告されている(Lancet Diabetes Endocrinol 2017; 5: 951-964、関連記事「日本発、糖尿病の多因子介入で新エビデンス」)。国際医療福祉大学市川病院糖尿病・代謝・内分泌内科教授の野田光彦氏は、同試験の時間依存性ランドマーク解析を行い、重症低血糖なしに糖尿病合併症を抑止するためのHbA1cなどの至適下限値を検討し、第38回日本糖尿病合併症学会(2023年10月20~21日)で結果を発表。HbA1cに明確な下限値は認められなかったものの、「LDLコレステロール(LDL-C)値を80mg/dL以下に維持することが、2型糖尿病患者の脳卒中抑制に寄与する可能性が示唆された」と報告した(関連記事「糖尿病の脂質管理、レムナントの評価も重要」)。