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第73回米国心臓病学会(ACC.24)

血流阻害のない不安定プラークにPCIが有効

 急性冠症候群(ACS)や心臓突然死は、主に脂質成分に富む冠動脈のアテローム性プラーク(不安定プラーク)が破裂し血栓化することで生じるが、不安定プラークが血流を阻害していない症例への予防的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の有効性・安全性は明らかでない。韓国・University of Ulsan College of Medicine Asan Medical CenterのSeung-Jung Park氏らは、血流阻害のない不安定プラーク例を対象に至適薬物療法(OMT)+予防的PCI併用の心血管リスク低減効果をOMT単独と比較する国際共同多施設非盲検ランダム化比較試験(RCT)PREVENTを実施。その結果、「OMT単独群と比べ、OMT+予防的PCI併用群で患者の予後が有意に良好だった」と第73回米国心臓病学会(ACC.24、4月6~8日)で報告した。...

急性心筋梗塞後のβ遮断薬は必要か?

 急性心筋梗塞(AMI)後の二次(再発)予防に、長くガイドラインで推奨されてきたβ遮断薬だが、左室駆出率(LVEF)が保たれた患者では、必要ない可能性が強まった。心筋梗塞(MI)後患者5,000例超を対象とした、非盲検のランダム化比較試験(RCT)REDUCE-AMI ※1から明らかになったもので、LVEF 50%以上の例では、β遮断薬の長期投与は非投与に比べて、全死亡またはMI再発リスクを低減しなかった。スウェーデン・Lund UniversityのTroels Yndigegn氏らが、第73回米国心臓病学会(ACC.24、4月6~8日)で概要を発表、N Engl J Med(2024年4月7日オンライン版)に同時掲載された。...

apoA-Ⅰ静注薬で「HDL仮説」証明ならず

 HDLの機能改善は、動脈硬化性疾患を防ぎうる―。この「HDL仮説」に挑む第Ⅲ相試験として注目を集めていたAEGIS-Ⅱ※1の結果が明らかになった。急性心筋梗塞患者1万8,000例超を対象に、HDLによるコレステロール引き抜き能(cholesterol efflux capacity)を改善するアポリポ蛋白A1(apoA-Ⅰ)静注用製剤CSL112の有用性を検証した同試験では、CSL112はプラセボと比べ90日後の主要心血管イベント(MACE)を有意に抑制できなかった。米・Harvard Medical SchoolのC. Michael Gibson氏が、第73回米国心臓病学会(ACC.24、4月6~8日)で概要を発表、N Engl J Med(2024年4月6日オンライン版)に同時掲載された。...

急性心筋梗塞後心不全へのSGLT2の効果は?

 急性心筋梗塞(AMI)患者では心不全(HF)発症リスクが上昇し、特にうっ血や左室駆出率(LVEF)の低下が見られる場合は予後不良とされる。SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは、これまでの研究から2型糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、HF患者における心血管イベント抑制効果が示されているが、AMI後HFに対する有効性は明らかでない。米・Baylor Scott & White Research InstituteのJaved Butler氏らは、AMI後HFに対するエンパグリフロジンの有効性と安全性を検証する国際第Ⅲ相多施設ランダム化並行群間プラセボ対照優越性試験EMPACT-MIを実施し、その結果を第73回米国心臓病学会(ACC.24、4月6~8日)で報告した。...

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