ICU患者の腸内細菌叢は劇的に変化する

 今、医学領域で最も熱いテーマは、腸や口腔の常在細菌叢と疾患との関わりであろう。以前から知られている腸疾患や歯周病ばかりでなく、がんや認知症、動脈硬化や骨粗鬆症、自己免疫疾患やアレルギーとの関連性が続々と指摘され、プレバイオティクスやプロバイオティクスで予防/治療したという事例の報告も相次いでいる。これは一時的ブームか、医学のパラダイムシフトなのか、科学的に見定める必要がある。第34回日本静脈経腸栄養学会(2月14~15日)では、日本臨床腸内微生物学会との合同シンポジウムが開催された。大阪大学病院高度救命救急センターの清水健太郎氏は、ICU患者の腸内細菌叢について興味深い発表を行った。