大腸は"暗黒大陸"、腸内細菌マップが必要

 「便のことなら辨野先生」。50年近く腸内細菌研究を続けている理化学研究所特別招聘研究員の辨野義己氏は、研究の歴史を振り返り、未来への希望を語った。培養の時代からシークエンサーの時代となり、腸内細菌研究は飛躍的に進展した。しかし、腸内細菌の遺伝子配列は分かっても、名前も正体も不明の菌が多いなど、腸内細菌叢はまだ全貌の見えない"暗黒大陸"だという。「その解明には10万人級の腸内細菌データベース構築が急務で、早期にこれを実現したい」と抱負を述べた。第34回日本静脈経腸栄養学会(2月14、15日)での日本臨床腸内微生物学会との合同シンポジウムから紹介する。