持続する口渇はせん妄リスクを高める

 口渇は、主に血清浸透圧の上昇や細胞外液量の低下によって誘発される。集中治療室(ICU)入室患者は口渇を訴えることが多いが、その苦痛はいまだ過小評価されており、対応方法も一定していないとの報告が散見される。ICU入室患者における痛みや不眠などの苦痛の感情は、せん妄の発症に影響を及ぼすといわれているが、口渇に伴う苦痛との関連はこれまで指摘されていない。金沢大学病院集中治療部の佐藤康次氏らは、24時間以上口渇が持続するICU入室患者ではせん妄の発症リスクが高いことを第46回日本集中治療医学会(3月1〜3日)で報告した。