メトホルミンが多発性囊胞腎の進行を遅延?

 常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)は、両側の腎臓に囊胞ができ、それらが加齢とともに増えて大きくなる遺伝性の疾患である。囊胞が増えて大きくなると腎機能が低下し、腎臓以外の臓器にも障害を来すようになる。一方、メトホルミンはビグアナイド系薬剤に分類される経口糖尿病治療薬の1種であり、2型糖尿病の薬物治療において基本薬剤として用いられている。インド・Jawaharlal Nehru Medical CollegeのAmit Pasari氏らは、メトホルミンがADPKDの進行を遅らせることを示唆する臨床試験結果を、国際腎臓学会・世界腎臓学会議(ISN WCN 2019、4月12~15日、メルボルン)で報告した。