炎症性腸疾患の再生医療、実現に向け前進中

 炎症性腸疾患(IBD)は消化管に原因不明の慢性炎症が生じ、これにより潰瘍に代表される消化管組織の構造的・機能的傷害を来す難病である。日本では潰瘍性大腸炎18万人、クローン病4万人の患者が治療の対象となっており、その数は年々増加している。東京医科歯科大学再生医療研究センター教授の岡本隆一氏は、IBD治療のキーワードは「粘膜治癒」だと指摘。同センターで取り組んでいる粘膜治癒を達成するための再生医療の開発状況を第18回日本再生医療学会(3月21〜23日)で紹介した。