遺伝性角化症の最新治療や診断時のポイント

 皮膚の最も表面にある角層(角質細胞層)は、乾燥や機械的な刺激などから身を守る役割を担っている。この角層が厚くなり、皮膚表面が硬くなる角化症には、遺伝性の魚鱗癬や後天性の乾癬、毛孔性紅色粃糠疹などがある。小児の角化症は難治であり、病型や個体差、発症時期、進行速度などが非常に多様であるため、診断が難しい患者も少なくない。順天堂大学浦安病院皮膚科教授の須賀康氏は、小児の角化症のさまざまな症例を蓄積することが、病態解明や予後予測、遺伝カウンセリングを含めた治療に役立つと考えている。第118回日本皮膚科学会(6月6~9日)では、特に先天的な遺伝性角化症について病態を解説し、最新の治療や診断時のポイントなどを紹介するとともに、成長した患児の成人診療科への移行支援に関する取り組みについても報告。小児の遺伝性角化症への理解と啓発を訴えた。