成人の神経性やせ症、外在化モデルの効果は

 青年期の女性に好発する神経性やせ症(Anorexia Nervosa;AN)は、肥満への極度の恐怖から食事を制限し、著しい体重低下を招く摂食障害である。青年期ANに対しては、家族をベースとする治療(family-based treatment;FBT)の有効性がランダム化比較試験により認められているが、成人期ANへの効果については明らかでない。名古屋大学病院精神科の田中聡氏は第115回日本精神神経学会(6月20〜22日)で、自施設で治療中の40歳代女性AN患者の症例を提示。FBTのように摂食障害の原因を心の外側に求める「外在化モデル」の効果とその限界について説明した。