"社会的時差ぼけ"解消で不妊が改善

 脳の視床下部・視交叉上核において調整される体内時計により、ヒトは外部からの時間情報に頼らず約24時間の概日(サーカディアン)周期で生活ができる(関連記事「体内時計を容易に同定できる"分子時刻表法")。近年、体内時計と不妊との関連が指摘され、平日と週末の生活リズムのずれなどによって生じる"社会的時差ぼけ"を解消することが、不妊症の改善につながる可能性も示唆されている。長崎大学医歯薬学総合研究科加齢口腔生理学分野教授の中村渉氏は、同氏が中心となった国際共同研究グループ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校、明治大学、立命館大学)が明らかにした生殖機能の早期減退と加齢に伴うサーカディアンリズムとの関連について、第44回日本睡眠学会(6月27〜28日)で解説した。