抗体医薬で1型糖尿病発症を初めて遅延

 現在、1型糖尿病患者に対しては、診断後にインスリン産生能の喪失を遅らせる介入方法はあるものの、診断前から症状の進行を遅らせる方策が求められている。米・Yale UniversityのKevan C. Herold氏らは、近親者に1型糖尿病患者がいる高リスク者を対象として、抗CD3モノクローナル抗体teplizumabの有効性を検討する第Ⅱ相プラセボ対照二重盲検試験を実施。同薬の投与群では、プラセボ群より有意に長い約2年間1型糖尿病の発症を遅らせることができたと第79回米国糖尿病学会(ADA 2019、6月7~11日、サンフランシスコ)で発表した。予防的治療で初めて同疾患の発症を遅延させたとするこの検討結果はN Engl J Med2019年6月9日オンライン版)にも同時掲載された。