DSM-5の精神医学診断に科学的根拠なし

 精神障害に関する世界共通の診断用語と分類基準を提供する目的で作成された『精神疾患の分類と診断の手引き第5版(DSM-5)』に対して、「科学的根拠がない」とする否定的な見解が示された。英・University of LiverpoolのKate Allsopp氏らは、DSM-5の統合失調症やうつ病など5つの主な章を詳細に分析し、「DSM-5の診断基準には一貫性がなく主観的で、現在のDSM-5に基づく精神医学診断は、個別の精神障害を識別する手段として科学的な有用性に欠ける」とPsychiatry Res(2019; 279: 15-22)に発表した。