乳がん治療後の脱毛と発毛の実態

 がん化学療法に起因する頭髪の脱毛は患者のQOL低下につながり、治療意欲を低下させて治療成否に大きな影響を及ぼしかねない。また、厚生労働省の調査によると、患者の58.1%ががん治療による外見の変化を経験しており、近年、「アピアランスケア」の関心が高まっている。群馬大学病院乳腺・内分泌外科診療教授の藤井孝明氏らは、乳がん周術期化学療法時の脱毛を含めた有害事象について前向き観察研究を実施し、その頻度や程度、経過について第27回日本乳癌学会(7月11~13日)で報告した。