ドライアイ診断には眼表面の層別化が重要

 これまで日本のドライアイ治療は、人工涙液やヒアルロン酸の点眼などによる水分補充を基本としていた。しかし近年、眼表面の構成成分であるムチンの分泌・産生を促す点眼薬が登場し、水分だけでなく眼表面の不足成分の補充が重視されるようになった。京都府立医科大学眼科学教室病院教授の横井則彦氏は「ドライアイ治療の効果をより高めるには、まず涙液層と表層上皮から成る眼表面の構造を層別に診断して不足成分を見極め、不足成分を補うことで涙液層の安定化を図ることが重要」と第123回日本眼科学会(4月18~21日)で述べた。