新リスク分類で腫瘍性尿管狭窄の予後予測

 腫瘍性尿管狭窄は、腎臓から膀胱へ尿を送る尿管ががんの進行により狭窄する病態であり、尿流の停滞は腎機能の低下や尿路感染症を引き起こす。その出現自体が予後不良を示すとされるが、患者背景により生存期間は3.7~15.3カ月と大きく異なる。そのため、原発がん担当医は「治療方針の決定」に、泌尿器科医は「尿管ステントや腎瘻などの尿路変向法の適応および選択」に苦慮することも多いという。こうした背景の下、金沢大学大学院集学的治療分野泌尿器科講師の泉浩二氏らは、これまでにに腫瘍性尿管狭窄の生存期間を予測する新しいリスク分類"PLaCT分類"を開発・報告したが、その基となる研究は後ろ向きで症例数も少なかった。そこで今回、同氏らは多施設共同研究で腫瘍性尿管狭窄患者300例を対象にPLaCT分類の妥当性を前向きに検証。その結果を第17回日本臨床腫瘍学会(JSMO2019、7月18~20日)で報告した。