『高齢者のがん薬物療法ガイドライン』が刊行

 高齢がん患者は加齢に伴うさまざまな問題点を抱えており、暦年齢や全身状態(PS)のみで薬物療法の適応を判断すると、過剰治療や過少治療につながる。そのため、臨床腫瘍学的視点だけでなく、老年医学的視点からの多面的評価の必要性が高まるとともに、両者の視点を反映した指針が待望されていた。こうした背景の下、今年(2019年)7月に『高齢者のがん薬物療法ガイドライン』(日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会編)が刊行された。同ガイドラインは総論、各論合わせて12項目のクリニカルクエスチョン(CQ)で構成されている。第17回日本臨床腫瘍学会(JSMO 2019、7月18~20日)のガイドライン委員企画のセッションでは、名古屋大学病院化学療法部の松岡歩氏が同ガイドラインの根幹を成す総論のCQについて、設定から回答決定までの流れについて概説した。(関連記事:「高齢者乳がんの薬物療法 GL要点を解説」)