新機軸の免疫CP阻害薬の開発進む

 最近、貪食能力を持つマクロファージの細胞膜に存在するシグナル制御蛋白(SIRP)αと膜蛋白質CD47で形成される細胞間シグナルCD47-SIRPα系が、自然免疫系の免疫チェックポイント(CP)として機能していることが明らかとなってきた。神戸大学大学院生化学・分子生物学講座シグナル統合学分野教授の的崎尚氏らは、このCD47-SIRPα系が自己免疫疾患や抑うつ、膵β細胞制御に関わることを報告しており、第78回日本癌学会(9月26日~28日)では、CD47-SIRPα系を標的とする抗SIRPα抗体と他の抗体医薬を組み合わせることで、相加・相乗的な抗腫瘍効果が得られたと報告した。