がん関連VTEでは抗凝固療法の管理に難渋

 近年、循環器の領域でも腫瘍循環器(Onco-cardiology)が大きなトピックの1つとなっている。中でも静脈血栓塞栓症(VTE)は、臨床で遭遇する機会が多いだけでなく、VTE患者でがんが発見されるケースも多いという点で重要な疾患とされる。天理よろづ相談所病院(奈良県)循環器内科の坂本二郎氏、京都大学循環器内科の山下侑吾氏に、がん関連VTEの現状およびVTE患者の大規模多施設共同観察研究COMMAND VTE Registryについて解説してもらった。坂本氏は「実臨床のがん関連VTE患者では進行がんが多く、出血リスクも高いため、抗凝固療法の管理に難渋するケースがある」と述べている。なお、同研究の詳細な結果はCirc J(2019; 83: 2271-2281)に発表されている。