世界初、肺がん免疫療法の血清バイオマーカー

 非小細胞肺がん(NSCLC)に対する免疫チェックポイント阻害薬は、一部の有効な患者では長く効くのが利点とされるが、高額であることに加え効果のない患者が多くいることが社会的かつ医学的な問題となっている。そのため、有効な患者を事前に予測するバイオマーカーを探索する研究が世界中で行われているものの、いまだ確立されていない。川崎医科大学免疫腫瘍学教室特任教授の岡三喜男氏は、第60回日本肺癌学会(2019年12月6~8日)で自身らが開発している肺がん免疫療法の効果予測を可能とする世界初、日本発の血清バイオマーカーについて概説。このバイオマーカーは非侵襲的、簡便、安価、かつ迅速に繰り返し検査ができ、現在、一般検査用として開発を進めていることを報告した(J Thorac Oncol 2019; 14: 2071-2083)。