外傷性脳損傷へのトラネキサム酸の効果は?

 2019年に発表された国際多施設ランダム化比較試験(RCT)CRASH-3では、頭部外傷後早期のトラネキサム酸(TXA)投与により軽度~中等度の外傷性脳損傷(TBI)患者の死亡リスクの低下が示されたが、中等度~重度の患者では有意な影響は認められなかった(関連記事:「トラネキサム酸で頭部外傷死が減少」)。今回、米・Duke UniversityのSusan E. Rowell氏らがJAMA(2020; 324: 961-974)に発表したRCTの結果でも、中等度~重度患者におけるベネフィットは得られず、TXAの初期投与量を増量した群においても結果は同様であった。