重症敗血症患者に抗潰瘍薬を投与すべきか

 重症敗血症患者では、ストレス潰瘍に伴う上部消化管出血が死亡率上昇に関連することが示唆されている(Intensive Care Med 2015; 41: 833-845)。その一方で抗潰瘍薬投与によるデメリットも少なくないため、有益性と有害性をどのように勘案するかが臨床上の重要なポイントとなる。札幌医科大学集中治療医学准教授の巽博臣氏は第48回日本救急医学会(2020年11月18~20日、ウェブ併催)で、『日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)』(日本集中治療医学会・日本救急医学会作成)に新たに追加された「ストレス潰瘍」について解説。消化管出血予防のための抗潰瘍薬投与について「弱く推奨する」という見解を示した。