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LIFESTYLE 〜人生をもっと豊かに〜
2017.10.5

日本ワインを世界レベルに引き上げた女性醸造家の想い

Lifestyle

三澤 彩奈 中央葡萄酒株式会社 栽培醸造部長 ワインメーカー 

山梨県勝沼町(現甲州市)生まれ。中央葡萄酒の4代目代表取締役社長・三澤茂計氏の長女。2005年にボルドー大学ワイン醸造学部DUADに入学し、さらにフランス栽培醸造上級技術者資格を取得。2007年から中央葡萄酒でワイン造りに携わる。(写真/吉場正和)

 イギリスで行われる世界最大のワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ(DWWA)」で、2014年に金賞とリージョナルトロフィーの2冠という偉業を達成した『グレイスワイン』。山梨県北杜市明野町にある三澤農場を訪れ、日本ワインが持つポテンシャルとその先の未来について、醸造家の三澤彩奈さんに夏の終わりのブドウ畑でお話を伺った。

甲州種の可能性を信じ飽くなき挑戦を続ける

 日照時間日本一を誇る明野町。茅ヶ岳の麓、標高約700mの傾斜地にある12ヘクタールのブドウ畑が三澤彩奈さんの仕事場だ。

「祖父も父も醸造家で、私も憧れていましたが、身近に女性の醸造家がいなかったので、自分自身がなれるとは思っていませんでした。転機となったのが、マレーシアのマンダリンオリエンタルホテルに父親と行った時。ホテルのレストラン『wasabi』で、『グレイス甲州』をお気に召され、3日連続で通われているという外国人ご夫妻を紹介されました。ご夫婦に、『グレイス甲州』は日本を表しているような素敵なワインですね、と言われたことで、甲州ワインの可能性を感じ、私も本気で醸造に取り組みたいと思ったんです」と話す。その後、24歳でボルドー大学に留学。ワインの聖地ではどのような体験をされたのだろうか。

「見るものや聞くこと、すべてが新鮮でした。日本では特別だと思っていたこともフランスでは当たり前。一方で、クラフツマンシップや繊細さなどでは日本も引けを取らないという自信を持ちました。フランスでは、ワイン造り=ブドウづくりと捉えられています。グレイスワインでは2002年から山梨県北杜市明野町に自社のブドウ畑を持ち、造りたいワインを想定して、ブドウをつくるようになりました」

 日本では農家からブドウを買い、ワイン造りをするのが古くからの慣習。しかし理想のワインを造るため、グレイスワインではブドウ栽培に最も力を注いだ。

「かつて甲州ワインは地元で消費されることが多く、ある意味、酔えればいいという品質にはこだわらないスタイルも存在していました。私たちは、甲州種は世界に通用する品種で、単にフレッシュフルーティーであるだけでなく、複雑味があり凝縮感のあるワインが造れると確信。ただ甲州種は糖度が上がりにくいのが難点で『糖度20度の壁』を超えることに苦労しました。日本と南半球のワイナリーを行き来しながら、世界のワイン造りを学びヨーロッパ式の垣根栽培を甲州に取り入れ、さらに高畝式にすることでその問題を克服しました」

 この努力が実り、2013年のDWWAで初受賞以来、今年で4年連続の金賞受賞を達成。世界に甲州ワインの名が知れ渡ることとなった。

ワイン造りへの情熱と産地を盛り上げる努力

「ワイン造りには時間がかかります。ブドウの苗を植えて一人前の樹に成長するまで10年以上、さらにワインを造ってからも飲み頃は10年後......。そんな難しいワイン造りですが、ブドウの樹やワインに対して、母性を持って愛情を注げることが女性醸造家である私の特徴ではないでしょうか」とはにかみながら話す三澤さん。ワイナリーではどのようなことを感じて育ったのだろうか。

「醸造の技術はどんどん進化しています。でも情熱や誠意、ワイナリーや産地である山梨に対する想いなど、ワイン造りの最も大切な部分は祖父の代から脈々と受け継いできました。父親の背中を見て育ち、苦労も喜びも一緒に感じてきたので、関係性も特別なんだと思います」

 世界的に注目され始めた日本ワイン。この先どのような未来像を描いているのだろうか。

「山梨には80社ほどワイナリーがあり、このワイン産地全体のために一緒に協力して盛り上げていきたいと思っています。また家族経営ですので、従業員の気持ちを1つに束ね、ブレない部分や譲れないところを大切にし、さらにグレイスワインの味を高めていきたいですね。この素晴らしいブドウ畑やワイン造りへの情熱は、100年後にも残していきたいものですから」

三澤農場で育てられた甲州種ブドウで造られた『キュヴェ三澤 明野甲州』。世界最大のコンクールで認められたワインをぜひ味わってほしい。
三澤農場のそばにある「明野・ミサワワイナリ―」には、地下に建設されたワインカーブが備えられている。広さは447㎡で、95の木樽とワインボトル約6万本を貯蔵可能。常に一定の温度で管理された空間だ。
蔦の絡まった瀟洒な建物の『勝沼・グレイスワイナリー』。2階にはワインショップがあり、勝沼の甲州ワインをはじめ、三澤農場産のワインなどがラインアップされている。テイスティングカウンターもあり、ほぼ全てのワインを試飲できる(有料)。
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中央葡萄酒

☎0553-44-1230

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