
1960年のブランド誕生以来、腕時計の本質を追求し続け、世界的に高い評価を受けている『グランドセイコー』。最先端の技術と最高レベルの匠の技を駆使し、他に類を見ない実用時計を生み出している。その要を担う長野県・塩尻にあるマイクロアーティスト工房で、日本の本格時計づくりの現場を拝見した。
最大約8日間(約192時間)の連続駆動を可能にしたキャリバー9R01。3つの香箱を直列に配置し、大きな動力源を確保している。また受けの平面全体には手作業で筋目仕上げをし、鏡面部には美しいルビーとテンパーブルーのねじが輝き、パワーリザーブ表示が配置されている。
東洋のスイスと称される長野県諏訪地方。ここに日本を代表する高級腕時計の工房がある。それがセイコーエプソン塩尻事業所内にある「信州 時の匠工房」だ。ここは「匠工房」、「文字板工房」、「ケース宝飾工房」、「マイクロアーティスト工房」からなり、主にセイコーの高級ラインのクオーツ式時計とスプリングドライブの製造を担っている。スプリングドライブとはセイコー独自の駆動機構で、機械式とクオーツを融合した第3のエンジンと呼ばれる、極めて精度の高いムーブメントだ。この工房でムーブメントの組み立てから文字板の取り付け、ケース入れまで一貫して行う、世界でもまれなマニファクチュールなのである。
極小の穴の面取りを繊細な匠の熟練の技で丁寧に磨きあげる。鏡面の面取りが、ルビーやねじの美しさを際立たせる。
こうしてつくられる時計の中でも、究極の実用時計として位置付けられているのが『グランドセイコー』だ。1960年に誕生して以来、高い精度を誇り、止まらない、狂わない、美しい時計を生み出し続けている。1967年にはスイス天文台コンクールで機械式腕時計部門の上位を独占。この技能・技術は現在の技師たちに受け継がれ、世界へのたゆまぬ挑戦を続けている。
1 スプリングドライブ8Daysでは、8日間持続実現のため香箱車を3個直接嚙み合わせることで、エネルギーロスを削減している。 2 「ジャンシャン」と呼ばれるリンドウ科の茎で時計の部品の磨きを行う。各技師が使いやすいようにカスタマイズされている。
中でも「マイクロアーティスト工房」は、時計製造の各分野のスペシャリストが集まり、企画・設計から部品仕上げ・組み立て調整まで協働して複雑時計をつくり出している。
この工房が設立されたのは、技能を継承することの必要性を強く感じたことがきっかけだったという。2000年に設立され、高級時計製造に関する技術技能を掘り起こし、研鑽、継承し、世界に通用する日本製高級時計を創出することを使命としている。その結果として、スプリングドライブで複雑機構を実現したクレドール ソヌリ(2006年)、クレドール ミニッツリピーター(2011年)を発表、高い評価を受けてきた。
そして2016年、満を持してマイクロアーティスト工房初のグランドセイコー スプリングドライブ8Days(Cal.9R01)が発売された。実用時計の最高峰であるグランドセイコーとマイクロアーティスト工房の工芸が融合した逸品として、瞬く間に注目されることとなった。
マイクロアーティスト工房の精鋭。独創的な時計をつくり出す技術者集団だ。
現在11名の精鋭からなるマイクロアーティスト工房。それぞれが組み立て、仕上げ、設計のプロフェッショナルであり、チーム一丸となって複雑時計などの独創的時計を生み出している。皆、さまざまな経歴を持つ技術者だが、時計づくりに対する熱い思いは共通だ。この優れた技術と時計づくりへの情熱を、次世代の時計技師へと継承していく工房である。
詳しくは公式サイトにてご確認ください
SEIKOグランドセイコー専用ダイヤル フリーダイヤル 0120-302-617(9:30〜21:00、土日祝日は17:30まで)