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慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者で3種用量のPanzyga®(NewGam)の有効性と安全性を検討するProCID試験の最終結果をAAN 2020で発表

ビジネスワイヤ | 2020.05.19 08:54

スイス・ラッヘン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オクタファルマは、米国神経学会(AAN)の2020年バーチャル年次総会のポスター発表で初めて、ProCID試験の結果を報告したと発表しました。ProCIDは、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者で静注用免疫グロブリン(IVIg)Panzyga®(NewGam)の種々の維持量を比較するための初の前向き研究です。


IVIgは希少な自己免疫介在性多発神経炎であるCIDPを患う患者さんに対する最も一般的なファーストライン治療薬です。標準治療計画は負荷用量2.0 g/kgの投与に続いて、3週間毎に1.0 g/kgの維持量を投与するというものです。諸ガイドラインでは、個々の患者のニーズに合わせてIVIgの維持量と投与頻度を漸増させることを推奨していました1。ただほとんどの臨床研究では単一の維持量のIVIgしか評価せず、今日までにわずか1件の小規模な前向きランダム化研究でしか種々の用量が比較されていません2。従って、標準的な1.0 g/kgを超えたIVIg維持量の研究に重大な臨床的関心が寄せられています。ProCID試験ではCIPD患者を対象とするIVIgの大規模研究でPanzyga®の有効性を評価しました。これは1.0 g/kg標準用量と比較して量を増減した維持量を評価した臨床試験として最大規模となります。

ProCID試験は前向き二重盲検ランダム化多施設第3相研究で、CIDP患者におけるPanzyga®の有効性および安全性を評価するとともに、Panzyga®の2種の維持量(高用量として2.0 g/kg、低用量として0.5 g/kg)を3週毎の1.0 g/kgという標準投与計画と比較しました。本研究では9カ国の25施設で142人の患者さんを組み入れました。本試験の結果から、Panzyga®はCIDP成人患者において3週毎の1.0 g/kgという標準用量での有効性が確認されました。患者さんのほぼ80%(55/69)が24週の治療期間終了までに調整INCAT(炎症性神経炎の原因・治療)障害スコアが最低1ポイント低下し、治療が奏功しました。また結果からは、用量反応が示され、Panzyga®の用量増加に応じて反応する患者さんの割合が増加し、患者さんの64.7%、79.7%、91.7%がそれぞれ0.5、1.0、2.0 g/kgの治療群にて、調整INCATスコアで判断して奏功したものと見なされました。Panzyga®の忍容性は全般的に良好でした。

本ポスター発表の発表著者でProCID試験運営委員会議長のDavid Cornblath教授(ジョンズ・ホプキンス大学メディカルスクール)は、次のように述べています。「CIDPにて3種のIVIg維持量を比較するこの大規模試験では、Panzyga®に対する用量依存的な反応が結果から示されています。この用量反応は主要有効性評価項目に加え、副次的有効性評価項目で観察されました。この結果は、臨床医が患者さんにとっての利益を最大化するための最適なIVIg投与量を検討する際に重要です。私はこの研究が広く議論されるだろうと確信しています。」

オクタファルマの取締役であるオラフ・ウォルターは、次のように付け加えています。「複数の投与計画についてProCIDがもたらした新たな知見は、医師が患者さんの個々のニーズにCIDP治療薬を適合させる上で役立つことになります。私たちは、患者さんの生活を改善するという使命の一環として、この患者集団にとっての治療選択肢の拡大に貢献できて光栄です。」

ProCID試験の結果は、CIDP患者さんにおけるPanzyga®の有効性と安全性を確認するものであり、標準的な投与計画は一部の患者で最適とはならない可能性があることを示しています。本試験のこの重要な結果は、医師がその患者さんのために適切な用量を決定する際に役立つことになります。

CIDPについて

CIDPは免疫介在性神経障害で、4肢における進行性脱力と感覚機能障害が特徴です。CIDP患者のうち、わずか20~30%が治癒する一方で、残りは長期の治療が必要となります3。多くの方が永久障害を被ります。IVIg以外のその他のフロントライン治療選択肢には、コルチコステロイドと血漿交換があります。

Panzyga®について

Panzyga®は10%ヒト正常免疫グロブリンの静注用溶液です。その製造プロセスは3つの専用製造工程段階、すなわち溶媒・洗剤処理、イオン交換クロマトグラフィー、ナノろ過(20 nm)を組み合わせて相当のウイルス低減を達成しており、従ってウイルス安全性の最優良事例に関する最新の国際的合意に準拠するものとなっています。Panzyga®は数カ国で原発性免疫不全症と特発性血小板減少性紫斑病の治療用に承認されています。

ProCID試験について

ProCID試験(NCT02638207)は前向き二重盲検ランダム化並行群間多施設第3相試験として、標準量(1.0 g/kg)、低用量(0.5 g/kg)、高用量(2.0 g/kg)の各維持量を3週毎に最大24週にわたり投与して、CIDP患者においてPanzyga®の有効性と安全性を評価したものです。本試験は25施設で実施し、計142人の患者を組み入れ、Panzyga®で治療しました。

オクタファルマについて

スイス・ラッヘンに本社を置くオクタファルマはヒトタンパク質の世界最大級のメーカーで、ヒト血漿およびヒト細胞株に由来するヒトタンパク質の開発と製造を行っています。

オクタファルマは世界で1万人以上の従業員を擁し、血液疾患、免疫療法、集中治療の3治療領域における製品を通じて118カ国の患者の皆様の治療を支えています。

オクタファルマは、7軒の研究開発施設と6軒の最先端生産施設をオーストリア、フランス、ドイツ、メキシコ、スウェーデンに有しており、合せて年間約800万リットルの血漿を生産できる能力があります。

さらに、140軒以上の血漿献血センターを欧州と米国で運営しています。

References

1 van den Bergh PYK, Hadden RDM, Bouche P, et al. European Federation of Neurological Societies/Peripheral Nerve Society guideline on management of chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy: report of a joint task force of the European Federation of Neurological Societies and the Peripheral Nerve Society - first revision. Eur J Neurol 2010; 17: 356–63. https://doi.org/10.1111/j.1468-1331.2009.02930.x.

2 Kubori T, Mezaki T, Kaji R, et al. The clinical usefulness of high-dose intravenous immunoglobulin therapy for chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy and multifocal motor neuropathy. No To Shinkei 1999; 51: 127–35.

3 Gorson KC, van Schaik IN, Merkies ISJ, et al. Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy disease activity status, Recommendations for clinical research standards and use in clinical practice. J Peripher Nerv Syst 2010;15:326–33.

原文はbusinesswire.comでご覧ください:https://www.businesswire.com/news/home/20200518005269/en/

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


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