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第30回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2022)

難治がん克服に向けた治療の現状と展望

2022年10月27日 06:30

131名の医師が参考になったと回答 

統合プログラム2(シンポジウム)

10月27日 14:00~17:00 第3会場(福岡サンパレス パレスルーム)

司会
國土 典宏 国立国際医療研究センター
古瀬 純司 神奈川県立がんセンター
小寺 泰弘 名古屋大大学院・消化器外科学
演者
中村 能章 国立がん研究センター東病院・消化管内科
上野 誠 神奈川県立がんセンター・消化器内科
谷内 恵介 高知大・消化器内科
川本 泰之 北海道大病院・腫瘍センター
山田 岳史 日本医大・消化器外科
石川 将 愛知県がんセンター・消化器内科
土井 俊文 京都府立医大附属病院・消化器内科、京都府立医大附属病院・がんゲノム医療センター
長久保 由貴 山梨県立中央病院・検査部ゲノム検査科
村田 悠記 名古屋大・腫瘍外科
田浦 康二朗 京都大大学院・肝胆膵・移植外科学
特別発言
中尾 昭公 名古屋セントラル病院

 消化器系の難治がんに対し、遺伝子異常に基づきがん特異的な分子標的薬を投与するがんゲノム医療が進展している。また、難治ではないがんの一部に見られる抗がん薬が奏効しないがんに対し、遺伝子、環境、生活習慣などに基づき分類して治療方針を定めるプレシジョン・メディシンや、その先にある個別化治療の時代を迎えつつある。さらには、外科、内科、放射線科などで構成される集学的チームでベストな治療をベストな順番で行う集学的治療が行われるようになってきた。司会の國土典宏氏は「本シンポジウムでは、これらの難治がんの最新情報について議論される」と説明する。

がんゲノム医療やプレシジョン・メディシン、個別化治療で難治がんに対応

 まず、中村能章氏がリキッドバイオプシーの中でも高い精度で遺伝子異常が同定できる血液循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた臨床試験について解説し、上野誠氏は胆膵がんにおけるがんゲノム診断に関する最新の知見や課題を紹介する。

 膵がんは代表的な難治がんの1つだが、治療成績向上のためのさまざまな研究が進んでいる。谷内恵介氏は、進行膵がんに対するsmall interfering RNA(siRNA)を用いた新規治療薬の開発状況について、石川将氏は自施設において保険診療下で行っている膵がんのゲノム診療の現状と課題について報告する。

 大腸がんの多くは難治ではないが、がん組織の増殖・転移の過程で難治なheterogeneity(HG)を有する腫瘍巣を形成する場合がある。山田岳史氏は、リキッドバイオプシーにより明らかになった大腸がんのHGおよびその難治性について報告する。

 進行胆道がんは薬物療法の選択肢に乏しく予後不良である。川本泰之氏は新たな選択肢である抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)について、HER2陽性胆道がんに対する効果を検討した多施設共同第Ⅱ相医師主導治験の結果を報告する。

 国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)にはオールジャパンのがん遺伝子パネル検査結果が集約されており、このリアルワールドデータを利用した難治がんの個別化治療も進められている。土井俊文氏は、このデータを活用した膵がんの遺伝子変異と臨床経過に関する新たなエビデンスを発信する。長久保由貴氏は、地域中核がん拠点病院の単施設におけるリアルワールドデータを用いた難治がん免疫療法の実態を提示する。

 消化器がんの根治療法では原則として手術が施行されるが、直腸がんや婦人科/泌尿器科がんの局所進行・再発例では腫瘍部分のみの切除では根治が難しく、骨盤内臓全摘術(TPE)が行われることも少なくない。村田悠記氏はTPE後に発症する骨盤死腔炎の低減に取り組んでおり、その実例を紹介する。また、切除困難な肝門部胆管がんに対しては生体肝移植も実施されており、田浦康二朗氏は自験例3例について報告する。

 國土氏は「本シンポジウムでは、リキッドバイオプシー、遺伝子診断などを活用した成果が報告される。日々、難治がんと闘っている先生方に最先端医療の詳細を学んでいただきたい」と参加を呼びかけている。

第65回 日本消化器病学会大会 会長 名越 澄子 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
第106回 日本消化器内視鏡学会総会 会長 塩谷 昭子 川崎医科大学 消化器内科
第27回 日本肝臓学会大会 会長 島田 光生 徳島大学大学院 消化器・移植外科学
第21回 日本消化器外科学会大会 会長 大段 秀樹 広島大学大学院 消化器・移植外科学
第61回 日本消化器がん検診学会大会 会長 日山 亨 広島大学保健管理センター

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