慢性心不全への水分制限、有効性に疑問符 2022年のACC/AHA/HFSA合同の心不全管理ガイドラインでは、慢性心不全患者への水分制限が推奨されている。今回、慢性心不全の外来患者を対象とした多施設共同非盲検試験によって、水分制限の有効性を検討した。・・・ PAHにsotatercept、イベントリスク76%減 アクチビンシグナル伝達阻害薬sotaterceptは、血管細胞増殖経路のバランスを改善する。第Ⅲ相STELLAR試験で肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者の運動能力の有意な改善が認められた。死亡リスクが高いPAH患者172例を対象に、同薬の疾患状態の悪化/死亡イベントや安全性を検証する第Ⅲ相プラセボ対照ランダム化比較試験ZENITHを実施した。・・・ ダパグリフロジンで慢性腎臓病の左室肥大が改善 SGLT2阻害薬は、DAPA-CKD試験およびEMPA-KIDNEY試験において慢性腎臓病(CKD)患者に対する心保護効果が示されているが、同薬が心臓の構造および機能に及ぼす影響は十分に解明されていない。今回、心リモデリングの心エコー指標を用いてダパグリフロジンの治療効果を評価するDECODE-CKD試験の結果が報告された。・・・ 鉄欠乏症伴う心不全にカルボキシマルトース第二鉄が有効 鉄欠乏症を伴う心不全に対する静脈内鉄投与(iv-iron)の有効性は不明である。今回、同患者に対するカルボキシマルトース第二鉄(FCM)の有効性と安全性をランダム化比較試験(RCT)FAIR-HF2で評価した。・・・ TAVI後のダパグリフロジンでイベント発生率低下 SGLT2阻害薬は心不全予防に有効だが、TAVI後の患者における有効性および超高齢者における安全性のエビデンスは十分でない。今回、TAVIを受けた重症大動脈弁狭窄症患者1,257例を対象に、ダパグリフロジンの有効性と安全性を検証する多施設共同ランダム化比較試験Dapa TAVIが実施された。・・・ ゼップバウンド、CKDの有無を問わず肥満HFpEFに有効 SUMMIT試験の主解析では、HFpEF合併の肥満症患者に対するGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名ゼップバウンド)の有効性が報告されている。今回、シスタチンCまたはクレアチニンに基づく推算糸球体濾過量(eGFR)で評価したCKDの有無別に解析が実施された。・・・ 新機序薬lorundrostatが治療抵抗性高血圧に有効 アルドステロン合成酵素阻害薬lorundrostatは新規の降圧薬である。標準的な降圧薬でコントロールが得られない治療抵抗性高血圧患者が対象の多施設共同第Ⅱb相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験Advance-HTNを実施し、lorundrostat 1日1回投与の有効性と安全性を評価した。・・・ 経口セマグルチド、高リスク糖尿病の心血管リスク抑制 経口GLP-1受容体作動薬セマグルチドの心血管安全性は、2型糖尿病および心血管疾患(CVD)高リスク患者において確立されているが、他疾患合併例では十分に検証されていない。McGuire氏らは動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、慢性腎臓病(CKD)または両方を合併する2型糖尿病患者を対象に、同薬の心血管安全性試験としてプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験SOULを実施。主要評価項目である複合主要心血管イベントなどの結果が報告された。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る