渡辺徹さんインタビュー(心臓病・糖尿病との闘い)(2)

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

――仕事を休んだ後はいかがでしたか?

 持病の糖尿病も原因だと思ったんですが、この3年は血糖値のコントロールもうまくいっていたので、「糖尿病患者は疲れやすいというし、年齢的にもやっぱり疲れが出る頃なんだろう」と、素人判断で家で休んでいただけでした。

 でも、これが一向に良くならない。妻から「お医者さん行けば? 行けば?」と言われながらも、「大丈夫だろう、疲れなんだから」と。そんな状態で1週間くらい過ごしていたんです。

 そのうち、人生初の体験なんですが...食欲がなくなったんです! 自分の中では衝撃的な出来事で(笑)、今までどんなに高熱が出ても食欲がなくなったことはなかったんですよ。

 体調が悪いのに栄養を取らないのはいけないと思い、近所のクリニックにジャージとサンダル姿で栄養補給のための点滴を受けに行きました。他は一切、診ないでほしいと条件を付けて。ところが、そのお医者さんに「あまりに顔色が悪いから、胸の音くらい聞かせて下さい」と言われて、「胸だけですよ~」なんて答えながら診てもらったところ、「渡辺さん、これは私からのお願いです。大きな病院に連絡を取るから、そちらに行ってきちんとした検査を受けてくれませんか」と、半ば強制的にその足で大きな病院に行くことになりました。

 そこでレントゲンとCT(コンピューター断層撮影)の検査を受けたのですが、そこで言われたのは「心臓が肥大して動きが鈍くなっています。処置をすぐにしないといけないから、大学病院に行ってください」。近所に出掛けるつもりのジャージとサンダル姿、大きい病院に行くのだって恥ずかしかったんですよ。なので、明日にでも行きますと言ったら、「ダメです! 今すぐ行って下さい」「ここに救急車を呼びます、そういう状態です」と言われてしまいました。

 次に行った大学病院では、救命救急センターに連れて行かれました。そこでエコー(超音波)検査を受けると、やはり心臓が肥大しているとのこと。血管が詰まっているようだったので、カテーテル(静脈から体の内部に入れる細い管)による検査を受けました。カテーテルでそのまま詰まっている部分を取っちゃうこともあるそうなんですが、検査を始めてみたら「無理です。ここでやめます」「冠動脈の一部が完全に詰まっています」と言われました。疲れのせいだと思っていたのに心臓病だなんて、本当にびっくりしました。

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