ペットの犬から薬剤耐性菌検出

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

© Adobe Stock ※画像はイメージです

 ペットとして飼育中の犬から、人間の間で感染が拡大している、2種類の抗生物質に耐性を持つ大腸菌を国内で初めて検出したと、大阪公立大の研究グループが発表した。

 幅広い細菌に有効な第三世代セファロスポリンが効かない大腸菌の治療では、代わりにコリスチンを用いるが、その両方の薬剤に耐性を示す大腸菌が世界的に拡大し問題視されている。一方、薬剤耐性菌はペットからも検出されているが、人と動物の間での感染リスクには不明な点が多い。

 研究グループは、2018~22年に感染症の疑いで大阪公立大の獣医臨床センターを受診したペットの犬428匹、猫74匹から分離した細菌687株を調査した。第三世代セファロスポリン耐性が判明した43株の中から、遺伝子解析でコリスチン耐性遺伝子も持つ2株を発見。うち犬から検出された大腸菌1株は両方の薬剤に耐性を示すことが分かり、人に感染する可能性も示唆された。

 研究グループは「人とペット間の感染リスクの評価につなげたい」としている。

(メディカルトリビューン=時事)

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする