消化器がんの術後は体重の変化や症状の改善程度を見ながら,頻回食から徐々に1日3回食に移行していきます。個人差がありますので,体調に応じて自分のペースで進んだり戻ったりして無理のないように進めます。調子の良くないときは少し前の量に戻すなどコントロールしましょう。 術後の食事のポイントとしては,(1)消化力が低下しているので,消化の良い,低残渣となる食品を選択する(2)蛋白質食品は,脂質の少ない食品(白身魚,ささ身,豆腐,鶏卵など)を選ぶ(3)消化を良くする調理法(軟らかく煮る,蒸す,焼く,下ろす,裏ごすなど)でつくる(4)食品は鮮度の良いものを選び,特に生で食べる刺身は,術後間もないときは使用しない(4)吻合部を刺激しないよう,香辛料(香り付け程度に),炭酸飲料,カフェイン飲料,アルコール飲料などは避ける(5)牛乳を一度にたくさん取ることは避ける(乳糖分解酵素の欠乏によって下痢しやすくなることがあるため)(6)料理の味付けは薄味にする。甘味,塩分などによる刺激を少なくする(7)熱過ぎるもの,冷た過ぎるものは避ける--などが挙げられます。 少し調子が良くなってくると,よくかまないで早食いになったりする場合がありますが,腹痛や消化不良,下痢などが起きやすくなります。よくかむことで消化しやすくなり,消化液と絡みやすくなります。また,ゆっくり食べることで食べ過ぎを防ぎます。 一食の量が少ないときは間食(栄養価のあるもの,例えばフレンチトーストやミニサンドイッチ,卵入りおじや,めん入り茶碗蒸しなど)で補うようにしましょう。