米国がん協会(ACS)は1月11日、がん予防のための栄養と身体活動に関するガイドラインの改訂版を発表した(「CA: A Cancer Journal for Clinicians」2012; 62: 30-67)。5年ぶりの改訂が行われた同ガイドライン、日本のがん予防ガイドラインでトップに挙げられている危険因子が、全ページを通してほとんど見られない。それは「たばこ」に関する項目だ。実際、同ガイドラインの序文は「たばこを吸うことがないほとんどの米国人にとって、最も重要ながんの危険因子は体重、食事そして身体活動(運動)」との文章で始まっている。国民の3分の2が肥満ともいわれる米国では、糖尿病や心臓病と同様に、がんの予防でも肥満防止が健康問題で大きな比重を占めるようだ。