東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故後、原発施設で処理に当たった作業員の精神的苦痛はどれほどだったのか。防衛医科大学校(埼玉県)精神科学の重村淳氏らは、事故の2~3カ月後(2011年5~6月)に福島第一原発と第二原発での作業にフルタイムで従事していた約1,500人の精神状態について検討。「一般的な精神的苦痛が全体の4割強、心的外傷後ストレス反応(PTSR)が4人に1人の割合で見られ、差別・中傷が災害後のメンタルヘルスを考える上で重要な要因の一つであることが示された」と、8月15日発行の米医学誌「JAMA」(2012; 308: 667-669)で報告した。なお、同誌には福島県・南相馬市住民の被ばく線量の計測結果も同時掲載されている(関連記事)。