10月17日、日本脳炎ワクチンの接種を受けた10歳の男児が接種から約5分後に心肺停止となり死亡、7月にも同じワクチンを接種した子供が1週間後に死亡したとの報道があった。日本脳炎の定期接種は、重い神経症状を起こした事例があったため2005年から積極的な接種勧奨が差し控えられていたが、新しい製法によるワクチンが登場したことで2010年には積極的勧奨が再開された。報道が先行する中で、医療現場や保護者の一部からはワクチンに対する不安の声も上がっている。これまで、予防接種制度やワクチン接種後の健康被害認定に関わる国の委員会に数多く参加してきた岡部信彦氏(川崎市衛生研究所所長)は、今回の事例が現行の接種勧奨に及ぼす影響は少ないだろうとの見解を示しつつ、ワクチンの安全性監視体制にはまだ課題があると指摘している。