日本で体外受精を受ける女性は年間約20万件で世界最多、出生数は年間2万人を超える(厚生労働省「母子保健の現状」など)。50人に1人は体外受精児という状況で、もはや体外受精は特別な例とは言えないだろう。こうした中、体外受精で妊娠した女性は、自然妊娠の女性と比べて妊娠中に静脈血栓塞栓(そくせん)症、いわゆる"エコノミークラス症候群"にかかりやすいとの研究結果が、英医学誌「BMJ」(2013; 346: e8632)に発表された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のPeter Henriksson教授らは、中でも死亡する危険性が高い肺血栓塞栓症について「母体死亡の原因になるため注意が必要」と述べている。