「百薬の長」と呼ばれる一方、「命を削る鉋(かんな)」ともいわれる酒。大量の飲酒は脳卒中や心臓病などになるリスクを増やすものの、一般に"適度な量の飲酒なら健康に良い"とされるように、少量の飲酒なら逆に健康に良いとする研究結果も多数報告されている。"適量"や"少量"の基準はさまざまだが、日本酒で1日1合、ビールだと中瓶(500ミリリットル)1本と推奨する場合が多い。こうした中、米国立がん研究所のDavid E. Nelson氏らは、"適量"や"少量"でもがんで死亡するリスクが高まるとする研究結果を、2月14日発行の米医学誌「American Journal of Public Health」(電子版)に発表した。Nelson氏らは、飲酒に安全な上限量は存在しないと結論している。