第6の栄養素として注目されている食物繊維は,成人では1日に20~25gの摂取が望ましいとされています。しかし,生活習慣病やメタボリックシンドロームのチェックを受けた人には,この量が少ないことを今までの食事指導で実感しています。 食物繊維には不溶性(セルロース,ヘミセルロース,ペクチン,リグニン,キチンなど)と水溶性(ペクチン,アルギン酸,コンニャクマンナンなど)があります。この不溶性と水溶性は,体内では生理作用が異なることがわかっています。 生理的な特徴は,(1)保水性があって膨潤して排便を促進する(2)コレステロールを吸着して体外に排泄する(3)腸内細菌の繁殖のえさとなり,糞便量を増やす(4)腸内の善玉菌を増やす(5)少量の食物で満腹感をもたらす(6)食後の血糖値の上昇を遅らせて糖尿病を予防する―などがあります。 食物繊維をしっかり取るためには,野菜を1日350g以上,また未精白の穀物(麦,玄米,ライ麦パン,全粒粉パン,そばなど),芋類,豆類,海藻,キノコ,果物などを毎日メニューに取り入れるようにします。 毎日野菜をしっかり取るためには,朝食をきちんと取り,そのなかに野菜料理を加えるようにしましょう。