前回は食物繊維の多い野菜料理を紹介しましたが,野菜料理から取れる食物繊維量は約60%と言われています。これは1日350gの野菜を取った量です。あと40%を未精白の穀類や豆類,海藻,キノコなどで取ります。 米や小麦は,精白度が高くなるにつれて食物繊維量が減ります。これは食物繊維が穀類の外皮に多く含まれているためです。穀類のなかでは麦や玄米,オートミール,全粒粉パン,ライ麦パン,そばなどに食物繊維が豊富に含まれています。 ご高齢の方はご存じの麦ごはんですが,あまりおいしいというイメージを持たない人が多いのではないでしょうか。米のなかに麦を混ぜて炊いたごはんは,麦が表面に浮いて見た目もあまり食指が動きません。そこで開発されたのが「米粒麦(べいりゅうばく)」です。これは麦を蒸した後,押しつぶさずに中央の黒いすじに沿って2つ割りにし,米の形に加工したものですが,においや味にくせがなく食べやすくなっています。米にこの米粒麦を2割混ぜて炊くと,1食分で約1.0〜1.3gの食物繊維を取ることができます。1日に2食食べると約2.5gの食物繊維が取れます。 食物繊維の取り方が少ないなかで,主食にこの米粒麦を利用すると,いつでも一定量を取ることができます。