吐き気や嘔吐は,化学療法後の何日目から何日目に症状が強いとか,料理のにおい,生活臭(たばこ,香水,芳香剤,ペット,排気ガス,汗)などで起こる場合があります。吐き気や嘔吐のある場合は無理に食べる必要はありません。しかし,いつもこの状態が続くと,抵抗力が落ちて,がんと闘う力が低下します。少しでも食べる努力と食べられる工夫をして取りましょう。食べられそうなときを見計らって取るようにします。 嘔吐したときは水分や電解質が失われるため,電解質を含むミネラル飲料やスポーツ飲料,果汁などを取ります。嘔吐が治まって最初に口にするのは,流動食(冷たいスープ,ゼリー,果汁,ヨーグルトなど)から始めます。 嘔吐,吐き気があるときの食事のポイントとしては,(1)盛り付けに留意する(お皿に山盛りの料理は見ただけで食欲不振や吐きそうになるときがあります。小盛りにして食べ切れる量にします。いつもより小さめの器にします。少なくても「食べた」という達成感と安心感の効果があります)(2)1日3食にこだわらないで,体調の良いときに,こまめに食べるようにする(3)消化の良い食べ物を選ぶ(消化の悪い食品は胃にとどまる時間が長くなります。食物繊維の多いもの,油脂の多いものは避けましょう)(4)さっぱりした口当たりの良いものを選ぶ(酸味やさわやかな香り,風味を生かします。酢や梅干し,レモン,ユズ,ショウガ,シソの葉などを利用します)(5)主食に変化をつける(冷やし梅そうめん,すし,一口おにぎり,お茶漬けなど)(6)においを抑える工夫をする(料理を冷ますとにおいは感じにくくなります。冷めてもおいしい料理を選ぶなど温度にも配慮しましょう。ニンニクやニラなどはにおいが強いので避けます)―などが挙げられます。