アルツハイマー病など中枢神経(脳と脊髄)の細胞が死んでいく「神経変性疾患」は、放射線や活性酸素などによってDNAが傷を負い、それを修復する機能が年齢を重ねることによって低下し、DNA損傷が蓄積することによって起こると考えられてきた。しかし、DNA損傷が正常な神経活動によって引き起こされ、神経変性疾患の場合はさらにその傾向が顕著になるとの動物実験の結果が、米国の研究グループによって3月24日発行の英科学誌「Nature Neuroscience」(電子版)に報告された。つまり、頭を使うだけでDNAがダメージを受けるということになる。もちろん、健康な人の場合、この損傷は速やかに修復されるため、頭を使えば使うほど早く認知症になるというわけではないのでご安心を。