アレルギーの人の献立を作成する際には,個々人の症状の経過に対応し,慎重に行うことが大切です。以下の点に留意しましょう。 (1)アレルゲンを除去し,代替した食品で栄養素バランスを取る(2)1日の摂取食品数を多くし,特に同じ蛋白質食品を一度に多く食べたり,続けて食べたりしないようにする(3)食品が制限される場合は,献立が単調になりがちなので,嗜好を取り入れて献立に変化をつける(4)鮮度の良い食材を使用する(特に魚は鮮度が落ちると魚肉中にヒスタミンを形成し,魚油は酸化されやすいため,アレルギーを起こしやすい)(5)加工食品は食品添加物を多く含むものが多く,使用材料が明らかでないものが多いため,できるだけ避ける(6)病者用特別用途食品(アレルゲン疾患用食品や低アレルギー食品など)を活用する(7)鮮度の良くない油脂の摂取は控えめにする(酸化した油脂は蛋白質と結合してアレルギーを起こしやすいため)(8)アレルギー発作は消化器や呼吸器症状を伴う場合が多く,症状が重篤な場合は食欲が減退しているので,水分補給を十分に行う。食事は1回量を減らし,回数を増やして胃に負担がかからないようにする。 また調理上の留意点としては,以下のようなことが挙げられます。 (1)調理器具や食器からアレルゲンが混入しないようにする(2)原則として加熱調理する。一般に食品は加熱することで抗原活性が低下する(3)調味料は塩,砂糖,酢を基本に使用する。みそ,しょうゆ(大豆アレルギー),マヨネーズ(卵アレルギー)の使用には注意し,市販の合成,調合調味料は避ける(4)野菜はあくの強いものは避けるか,十分にあく抜きする。肉類のあくも丁寧に除去する。