低脂肪の食事

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 胆石症とは,胆嚢または胆管の中に発生する結石(胆石)が原因となって生じる炎症です。胆石は組成によって,主にビリルビン系胆石とコレステロール系胆石があります。最近では,食生活の変化により,コレステロール胆石が約70%を占めており,肥満女性に多く発症しています。

 急性期の場合は,脂質制限を厳守します。疼痛発作後数日は絶食とし,非経口栄養法が用いられます。経口摂取を開始後は砂糖水や果汁から始めて,重湯やスープなどの流動食とします。症状の軽減後は三分がゆ,五分がゆ,七分がゆ,全がゆと徐々に食事形態を上げていきます。

 コレステロール結石の場合は,コレステロール含有量の多い食品(イクラ,タラコ,数の子,シシャモ,メザシ,レバー,卵など)や,動物性脂肪(肉の脂身,バター,ベーコン,ソーセージ,ハム,生クリームなど)は制限しましょう。食物繊維はコレステロールの便への排泄を促し,便秘を予防するので,多く含む食品(野菜,果物,海藻,キノコ,豆類,未精白の穀類など)を十分に摂取します。

 また,脂質の量は1日30g程度の制限にしましょう。脂質を厳しく制限すると,脂溶性ビタミンの不足を招くとともに,胆嚢の収縮が衰弱し,胆嚢内に胆汁が停滞して,胆石の生成の原因となります。適量の脂質は,適度の胆嚢収縮と胆汁の排泄を促します。胃液は胆嚢の収縮を促すので,胃液の分泌を亢進するアルコール飲料,カフェイン飲料,炭酸飲料,香辛料は控えましょう。

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